こんにちは、山口県宇部市の歯科・矯正歯科アールクリニックの歯科医師・院長の折田です。今日は、精密検査なしで矯正治療を行うことについて語らせていただきます。
精密検査もせずに矯正装置を装着するというのはあり得ないことなんです。矯正治療のトラブルとして目につくのが、治療に入る前に必ず行うべき精密検査と、それに基づく診断・説明が、患者さんに対してきちんと行われないまま、容易に治療を開始しているケースです。
踏むべきプロセスを踏まずに治療に入ることで、結果、顔立ちや歯列のアンバランスを招いたり、上下の歯がきちんと噛み合わないというトラブルにつながるというわけです。
それだけでなく、専門的な研修などの参加不足、熟練されない経験不足のままの歯科医が治療するケース、非常勤矯正歯科医が担当するなど診療体制が整っていない環境での治療も原因になっていると考えられます。
最近では、インビザラインの装置を作製するための口腔内スキャナーを用いて、患者さんの口腔内をスキャニングして画面上で「矯正治療をしたらこういう歯並びになりますよ」というシミュレーションで患者さんにわかりやすくイメージできるカウンセリングをする歯科医院も多くなっています。画面上で歯並びが良くなる変化を見たら、誰でもこうなれるといいなと思うかもしれません。しかし、これはあくまでも歯を並べただけのシミュレーションであって、これは計画した治療ゴールではないのです。
また、集客のための過当競争の激化により、精密検査もせずにインビザラインの設計を精通したインビザラインドクターに丸投げして、責任の所在のないまま治療を進めている医院もあるようです。すなわち患者さんのことをまったく知らないドクターが精密検査もせず、遠隔でPC上で操作して設計を行っているということです。
矯正治療は専門性の高い分野で、患者さん一人ひとりの上下の歯のバランスや歯並び、噛み合わせの状態をみて、適した治療を行いますが、綿密な検査や診断を行うことなく容易に治療してしまうと、後で大きな問題を招くことがあります。
アールクリニックでは、精密検査の結果から治療開始の時点でゴールまでの設計図が決まっています。だからこそ、治療のゴールを患者さんに3D模型で「形」として示すことができるのです。
治療を始める際には、患者さん自身が正しい知識を持って、また、治療計画を詳しく説明し、患者さんの不安に丁寧に答えてくれる歯科医を選ぶことが大切なのです。