こんにちは、山口県宇部市の歯科・矯正歯科アールクリニックの歯科医師・院長の折田です。
今回は、矯正治療で行われる処置のひとつ「顎間ゴム」についてお話をしていきます。
「顎間ゴム」は「ゴムかけ」とも呼ばれ、ブラケット矯正、マウスピース矯正問わず、上の歯と下の歯の矯正器具にご自身でゴムをかけることで、ゴムの引っ張り合う力を利用して、歯を移動する補助をしたり、上下のかみ合わせのズレを改善したりしながら上下のかみ合わせをしっかりよくかめる位置へと導いていきます。
目標とする歯並びに近づけるためには、このゴムの使用が必要不可欠なのです。
この「顎間ゴム」を使用するタイミングは、歯がある程度動いた後の段階となります。矯正治療の中盤から後半と考えると、矯正治療が終わりに近づいてきた目安にもなります。顎間ゴムが必要になってくると「ゴムかけを行って下さい」と指示が出ます。もちろん、しっかり使っていかなければなかなかゴールへ辿り着けません。
しかも、この「ゴムかけ」は患者さん自身で行っていただく必要があります。その目安は22時間以上で、基本的に食事と歯磨き以外はすべてゴムを装着している状態になります。ゴム交換は食事の都度でも大丈夫ですが、最低でも1日に1回は行って下さい。口を大きく開けたり、話したりするのもゴムをつけた状態ですので、1日も経たないうちにゴムが劣化して伸びてしまいます。劣化したゴムは上手に移動する力が伝わらないので、必ず1日に1回は交換をしましょう。交換する時間を決めておくことで忘れることを防げます。ぜひ実践してみて下さい。
最初は上手くゴムがかけられず、面倒な作業に感じられるかもしれませんし、ゴムが入ることで見た目も気になる方もいらっしゃると思います。ですが、先ほどにもお伝えしたように「ゴムかけ」をさぼってしまうと治療が進みません。最初は抵抗があっても1~2週間でゴムかけにも慣れ、違和感も少なくなってきますし、毎日少しずつお口の中にも変化が出てきます。慣れるまでは大変ですが、きれいになることをイメージし、頑張っていただければと思います。